コード生成と実装のコストが急速に下がるにつれ、研究のボトルネックは「書けるかどうか」から「やる価値があるか、正しくできているか」へと移りつつある。AI Native 研究パラダイムは、大規模モデル、GPU、Agent、自動化ワークフローを研究のデフォルト・インフラとして前提とする。それに伴い、研究者の中心的役割も、自ら実装コードを書くことから、問いを立て、評価を定義し、方向性を判断し、結果を批判的に検証することへと移行する。
パラダイムシフト:デフォルト・インフラの上で人とAIの分業を引き直す
実装コストがゼロに近づくと、「何版も書いて何度も回す」こと自体が安価になり、本当に希少なのはどの方向を探索するかの選択であり、そして結果を前にして批判的な姿勢を保つ能力である。こうして分業が引き直される。AI は答えの実装、実験の加速、探索の拡大を担い、人間は方向性、制約、センス、重要な意思決定を担う。これは判断まで外注することではなく、人の注意を「コードを書く」ことから「基準を定め、取捨選択し、結果を見る」ことへ移すことである。
EvoX:単一のアルゴリズムツールではなく、インテリジェント進化システム
EvoX は進化計算の技術的源流を受け継ぎ、複雑な多目的最適化、オープンな探索、システムレベルでの持続的進化に対応する。提供するのは単なるソルバーではなく、実行可能・組み合わせ可能・持続的探索が可能なエンジニアリング基盤である。ある実験の成果を次の実験が継承でき、探索プロセス自体が持続的に進化できる。
- 問題定義:まずアルゴリズムを選ぶのではなく、真の問題における目的の衝突と制約条件を見極める。
- 評価設計:「何が良いことか」を明確に書き出す——指標、重み、検収しきい値。
- 進化プロセス:AI が候補解をバッチ生成し、コードを高速に反復し、並行実行して比較する。
- Runtime スケジューリング:計算資源、並行性、実行状態を管理し、探索を持続可能かつ再現可能にする。
実践的アプローチ:「アルゴリズム選び」から「プロセス設計」へ
典型的な誤りは、アプローチを「いくつかのアルゴリズムから一つ選ぶ」ことだと捉えることである。AI Native のやり方は、まず目的の衝突と制約を見極め、問題を EvoX で実行可能な探索プロセスへと変換する。人間がまず目的の衝突、制約条件、検収基準を定義し、次に AI がコードを高速に生成・反復し、EvoX を用いてバッチ実行して候補案を比較し、最終的に批判可能で検証可能な結果を形成する。例えば多目的最適化実験を一度行う場合、AI にすべてのコードを書かせてその出力をそのまま信じるのではなく、機械に実装と探索を、人間に定義と判断を担わせるのである。
